残留農薬について知っておきたい9つのこと

短期暴露評価_ページ_06
残留農薬の決め方(厚生労働省サイトより)。以前はADIしか参照されていませんでしたが、
一昨年からARfDも参照されております。非常に詳しい残留農薬についての説明は以下。
http://www.maff.go.jp/j/nouyaku/n_tisiki/tisiki.html(農水省・農薬の基礎知識)



1.残留農薬基準値は食品衛生法で定められています。

日本で販売されている野菜・果物・穀物は残留農薬基準値以内のもので
基準値を超えたものはお店には並んでおりません。

2005年にポジティブリスト制が施行され基準値が無かった作物についても
海外の数値を参考にした基準値が定められ、それもない場合は
一律0.01ppmというヒジョーにキビシイ数値が決まりました。

現在は基本的に全ての作物について残留農薬基準値が定められております。
残留農薬基準値は「安全の可視化」であり、この数値以内であれば
作物は法的に「安全」と言えます。つまり売られているものは全て「安全」です。

2.残留農薬基準値は公開されています

http://m5.ws001.squarestart.ne.jp/zaidan/search.html
公益財団法人 日本食品化学研究振興財団 サイト

農薬名ではなく成分名で検索しないといけないのでコツがいるけど
眺めているといろいろと発見があって楽しいです。
基準値は頻繁に改正されており、ネオニコが改正された時だけ騒がれますが、
その他のものも高くなったり低くなったりしています。

すでに失効した農薬の残留農薬基準値も掲載されていて検索すると
DDTとかBHCとかもう使われていないものも出てきてビビります。

3.残留農薬の単位はppmです

ppmとはparts per millionという意味で、100万分の1ということです。
1ppmは0.0001%です。ちなみに残留農薬基準値のデフォルト数値0.01ppmは
0.000001%になり、ものすごーくちょびっとです。ピンと来ないので
1ppmは1リットルに対してどれくらいになるかというと(厳密に言うと違うけど)
だいたい1mgらしいです。それでもピンと来ないけどまあいいか。

4.市販の作物の残留農薬はゼロではありません

1で書いたとおり売られているものは基準値以内ですが=ゼロではありません。
どれぐらいかは不明ですが直近に散布されたものは残っている可能性が高いです。
野菜や果物はちゃんと洗って食べましょう。

5.有機農産物にも農薬が残留している可能性があります

なぜなら日本の国土は狭くお隣の畑で農薬をまいたら飛んできます。
これをドリフトと言います。こういった影響を防止するため、
慣行栽培の圃場が隣りにある場合、有機圃場には緩衝地帯が設けられます。

ただでさえ狭い畑の枠に1mも栽培できない土地ができるのってどうよ、
と思いますが、そこに違う作物を作って非有機で出荷することは可能です。

6.まいた覚えのない農薬が出ることがあります

なぜなら日本の国土は狭くお隣の畑で違う農薬をまいたら飛んできます。
これをドリフトといい、その農薬が当該作物に適用がない場合は
出荷停止とかになりおおごとになります。

例えば米産地で空中散布すると、50mくらい離れた畑のぶどうから
空中散布した農薬が出たりします。適用がある場合は基準値がありますから
基準値以内であれば出ても出荷停止にはなりません。

また、果樹専用の農薬散布機スピードスプレイヤーで農薬をまくと
とある流通の実験で150mほどバッチリ飛んだという結果もあり、
果樹産地でぽつんと1か所野菜を作ってる人とかはおおごとです。

なお適用とは「この農薬はこの作物に使えるけど他のにまいちゃダメだからね」
というもので、すべての農薬に定められており、違反すると出荷停止です。
適用作物を知りたい人はホームセンターで農薬の裏の表示を見てみましょう。

7.残留農薬が基準値以内になるように農薬はまかれています

毒性が高く残留しやすいものは出荷前にまかない、
などの配慮がなされた防除暦がきちんと定められています。

防除暦とは地域のJAが定めている「この時期にこの虫・病気対策に
この農薬をこれだけまきましょう」というカレンダーのことで、基本的に
防除暦通りに農薬をまけば残留農薬基準値以内に収まる設定になっています。

2002年農薬取締法が改正されて以降、それまでわりとざっくりしていた
農薬の適用作物やまき方についてきちんとする必要性が生じたため、
(なにしろ違反したら出荷停止→回収なんてことになりますからね)
JAから栽培日誌を書かないと出荷できませんからね的な指導が出て、
年取った農家が大わらわ、みたいなことがあったようです。

というようなこともあり、リスク軽減のため防除暦通りに農薬をまいてないと
出荷を受け付けないなんていうJAもあり、減農薬しづらいしくみになっています。

8.洗っても落ちない農薬はあります

表面についてる農薬は洗っても落ちますが、浸透移行性の高い農薬は
洗っても落ちません。しかしそういうことも考えて基準値は定められています。

ただ、果物は果実よりも果皮の方が残留農薬の値は高いため、
残留農薬が死ぬほど心配!!! という人は皮をむいて食べましょう。
果皮と果実の間にとても大切な成分が含まれているのでそっちが大事!!!
という場合は皮ごと食べればいいと思います。

なお、輸入柑橘類の果皮だけは積極的に食べないほうがいいでしょう。
日本で禁止されている農薬(OPP・TBZ)が残っている場合があります。

9.残留農薬よりも農薬のほうが危険です

残留農薬基準値の高いものは、どんなに高くても50ppmくらいですが、
それを散布する農家は直接農薬に触れ、場合によっては吸い込みます。
また、そこにいる虫、微生物もかなりの割合で死滅します。

アメリカでは農薬散布後の圃場に入ってはいけないという時間的な制限があり
法律で定められていますが、日本では農家の判断にまかされています。
日本における農薬関係の法律は消費者のみに向いています。

ちょびっと残った農薬がついた菜っ葉を食べる人よりも
その場にいて農薬をまいている人のほうが危険だという事実を受け止め
ときどきはそのことを考えてみて、自分のふるまいを決めてもいいかもと思います。

結論:
残留農薬を闇雲に怖がる必要はありませんがリスクはゼロではありません。
中には「毒物」「劇物」に分類されるもの、魚毒性が高いもの、
また水質を汚染するもの、発がん性・催奇形性が疑われるものなどもあります。
心配であれば農薬を散布しないで栽培している人のものを選んだり、
一歩進んで自分で作ったりすることもできます。

そういえば、何かの農薬が一般人の体内から出たとかいう情報を時々見かけますが、
何があるにしても直接影響があるはずの農家から何か出た的な話は全く見かけませんが、
どっちかって言うと農家の体内から何かが出ないと変だよなー、なんでかなー
誰かの陰謀かなーなどとこれを書いてて思いました。

そういう研究には予算がつかないのかもしれませんね。


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ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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