書を捨てよ 畑へ行こう

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ほんたべ農園2年めのタイムが花盛りで、ミツバチが来ています。
わたくしが農業を好きだなあと思うのはたぶんこういうところ。
日々新しい発見があり、同じ瞬間は一度もないところ。



このところ一年ほど「有機ってなんなんだ」的なことをあれこれ考え、
ようやくストンと心が落ち着きましたので書いてみることにしました。

有機農業というか、有機農業界隈にいる人たちに
ビミョーに幻滅し始めたのは昨年春の有機のお勉強会であった。
その後有機農業界が「アグロエコロジー」と言い出したのでさらに幻滅した。

言葉を変えりゃいいってもんじゃないよなあと思ったのだ。

ヒト(会社)は行き詰まると目先を変えてなんとかしようとするが、
成功することもあるが失敗することもある。
昔で言うところのCI、最近はブランディングと言う。

見ため(ロゴとか社名とか)というお化粧を変えてみたけど
内容(社員の意識とか商品の品質とか)が全く変わらなかったりすると
どんなに厚化粧をしても体質が変わらなければ元の造作は同じだから、
化粧がはがれ落ちると全く変わってないことがバレてしまう。

ブランドとはお約束なのだから皆で大切に育てなくてはならないのだ。
そういう意識なく行われるブランディングはお金のムダである。

アグロエコロジーと言い始めた有機農業界からはそのニオイがした。
推進している人が変わらなければ見え方を変えてもダメなのだ。
そのことに気づけない有機農業界の人にわたくしは幻滅した。

さらにアグロエコロジーという言葉で何を変えたいのかもわからなかった。

有機=環境保全型農業=地球にやさしいと再度主張したいのかと思ったが、
昨今地球にやさしいという言葉自体すでに死語ではないかと思うし、
環境保全型という割に堆肥ドカーン的な有機農業な人も変わらずいて、
一律「有機=環境保全型農業」と言うにはムリがあるだろう。

「有機=おいしい」というのも作る人によって作物の味は変わるから
妄想というかある意味幻想である。さらに、有機農業を営む人は
自分の野菜が一番うまいと思っている人が多いが、
「よそんちの野菜を食べたことない」と言う人もざらにいる。

わたくしは、それでなぜあんたが一番だとわかるのだと言いたい。
しかし彼の野菜は全部売れ、買ってる人は常に賞賛するから気づかない。
それは購入者が野菜といっしょにその人の思想を食べているからだ。

そう考えると有機=おいしい=思い込みでいいのかもしれない。

この妄想と幻想の上に、アグロエコロジーという名を借りて
どのような城を建てようとしているのかわたくしにはよくわからなかった。
今もわからないし、その後アグロエコロジーが定着したかどうかも不明だ。

何度も言うが有機農業は思想である。
今は違うかもしれないが、過去はそうだった。

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今回のほんたべ農園はナスに土壌由来の病害が出ておりまして
大変凹んでおります。ナスの輪紋病、葉っぱに出たら果実にも出るぞ。
そのほか半身萎凋病も出ており、周りの区画の人も
ナスがけっこう枯れ始めております。うううううううううう(泣)



有機農業界隈の重鎮のおじさま方には確固とした思想があり、
個々人の思想は微妙に重なってはいるが成り立ちが全然違うから、
10人いたら10通りの思想があり、それが他者には理解しにくい。

皆が暮らせる有機農業という荘厳な城を建てるためには、この思想の上に
共通の土台というか、確たる強固な土台を築く必要があるが、
どうもいまだにできていないように思うのは気のせいではないだろう。

技術論だのそもそもの成り立ちが違うだので、ああでもないこうでもないと
仲違いしているおじさま方に共通の土台を作るのはムリだとわたくしは思う。

おじさま方に技術があるかと言うとそうとも限らず、根性論で作ってたり、
施肥設計のミスに対して遠くを見つめて「有機とは我慢です」とか言ったり
「ウチの野菜はおいしくて」と品質の悪いものを出されたりすると、
わたくしは穴があったら入ってうぎゃああああと叫びたくなってしまう。

今いる重鎮の方々は有機農業にすばらしい貢献をされたと思うし、
立派だし尊敬もしているが、それとこれとは別である。

彼らの思想を引き継いでブラッシュアップしてくれる後継者がいればいいが、
なぜかそういう人たちの周りにはそういった後継者が生まれない。

これは流通とか小売とか自然食品店とかも同じだ。いるのは若手だけである。
なぜだろう? おそらく初代の影響が大きすぎて、新しい概念が育たなかった、
あるいは芽吹いたけど取り入れることができなかったのではないか。

そのような思想に未来はあるだろうか。あるようには思えない。
もっとしなやかで、強くて、イキのいい、新しい考え方はないものか。

2006年12月に有機農業推進法が施行されて今年で10年経つ。
補助事業がいくつもあったし、かなりの税金が投入されたと思うが、
あまり変わった気がしない。相変わらず、顔の見える関係とか
説明商品とか、理解度を高めることが課題で解決には至っていない。

であれば、若くてイキのいい人、思想にとらわれない人、
新しい考え方を苦もなく取り入れられる人、積極的に連携できる人、
そんな人々が中心になったらどうだろう。

そうなれば、有機農業界から思想臭が削ぎ落とされ
わかりやすい「オーガニック」に移行できるのではかなろうか。
10年を節目に、大規模な世代交代をすべきかもしれない。

年寄りはこれからの有機農業界の若者たちに口出しせずに見守るのだ。

さて、なんてことを言っているわたくし自身にも実は
他者には説明しづらく理解しにくい強烈な思想があります。

したがって今後のわたくしは、個別においしいものを作る「人」
を応援していくことに集中したいような気がしております。

有機とか減農薬とかの枠組みで物事を見ないで、
おいしくないもんはおいしくないともはっきり言いたいと思います。


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はじめまして。神奈川県秦野市で新規就農して10年がたちました。僕自身は有機農業者ではなく、慣行農法で、できるだけ環境にやさしくありたい、、という程度の専業農家です。就農希望の若者達と出会う機会が多々ありますが、有機農業に憧れる人がほとんどです。
貴方が仰るとおり有機栽培は技術的にも難しく、経営として成り立たせるためにはかなり経験が必要だと感じています。現在0秦野市が主催する農業塾という就農支援コースのお手伝いをさせていただいていますが、塾生に対して有機農業への取り組み方をどのように支援すべきか、いつも悩んでいます。貴方が執筆中の著書を楽しみにしています。長文失礼しました。応援しています。

Re: 共感します

伊藤さん、はじめまして。コメントありがとうございます。

はじめまして。神奈川県秦野市で新規就農して10年がたちました。僕自身は有機農業者ではなく、慣行農法で、できるだけ環境にやさしくありたい、、という程度の専業農家です。就農希望の若者達と出会う機会が多々ありますが、有機農業に憧れる人がほとんどです。

新規就農で有機農業をやってみたいという人は非常に高い割合でいらっしゃるみたいです。
せっかく農業やりたいとおっしゃっているので、その希望通りに有機で収納できればいいと思うのですが、いかんせん売り先が大変そうです。

うまくいってる人は、すでに有機農業に取り組んでいる有機農家の出荷団体に参加するか、法人に就職するかのどちらかで、一人で始めて一人で売り先を見つけてという人はあんまりいらっしゃらないのでしょうね。


> 貴方が仰るとおり有機栽培は技術的にも難しく、経営として成り立たせるためにはかなり経験が必要だと感じています。現在0秦野市が主催する農業塾という就農支援コースのお手伝いをさせていただいていますが、塾生に対して有機農業への取り組み方をどのように支援すべきか、いつも悩んでいます。

おお! すばらしいですね!
がんばってください!

思いだけでは有機農業は難しいので、とくに基礎的な知識を提供することが必要かと思います。
いきなり自然栽培とかやりたがる人には「ムリ」と言ってあげるとか。


>貴方が執筆中の著書を楽しみにしています。長文失礼しました。応援しています。


実はわたくしの師匠の教えを書いた本はすでに出版されております。
『儲かる「西出式」農法』(さくら舎刊)

新規就農の方にもわかりやすい土作りとか良い土とはどのようなものか。
また有機農業の歴史と有機JASの成り立ちなどについても書いています。

土壌分析や土壌三相など、基礎の基礎について書いてありますので、ご興味があればご一読いただけますと幸いです。

では今後ともよろしくお願い致します。
プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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