オーガニック野菜のなにがいいの? と聞かれたら

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↑ 来月本が出ます(営業)。

タイトルは『外食女子のための太らない選択』(サンクチュアリ出版)です。
Amazonではすでに予約が始まっております。

さて、この本は「外食女子」という日々忙しくて自炊したくてもできない
外食中心になりがちな女子のために、さまざまな外食チェーン店のメニューの
栄養成分や入っている食材などをもとにして
「選ぶんならこっちのほうがいいですよ」と紹介している本である。

栄養学的監修には著名な管理栄養士の柴田真希さんが
医学的監修にはわたくしの友人の内分泌専門医があたってくださった。
みなさん、ありがとうございました。

さて、書いている最中いろいろとびっくりすることがあったが、
それはわたくしがすでに「女子」ではないからであろう。

そのオバサンが女子のための本を書くとなると、やっぱなんかこう、
「オバサンの豆知識」的なコラムも期待されるので、
食品表示とか原料がどうとか、牛の個体識別とかについて書いてるのだが、
そのなかに「オーガニック野菜とは?」というコラムがあった。

そうか、女子的には有機野菜ではなくオーガニックなのだなと
世代の壁をしみじみ感じながら、3年間指定された資材・農薬のみを、
的な説明を書いて原稿をわたしたところ、かなり修正が入った。

サンクチュアリ出版は「本を読まない人のための出版社」である。
http://www.sanctuarybooks.jp/
そして昨今の女子はあまり本を読まない(らしい)。

その女子の方々に訴求するためには、わかりやすい表現が必要で、
小難しいことを書いても読み飛ばされる、というかそもそも
買ってもらえない、ということであろう。

修正後の文章をさらに修正してわりとわかりやすくしたつもりで
しかし自分の思いつく範囲内で必要な部分を入れて戻したら、さらに
質問というか意見が来て、わたくしは大変とても驚いた。

環境中に排出される毒物の量とか(すでにしてこの表現がカタイでしょう)、
土壌消毒・除草剤不可などの「使えない農薬関係」もちらりと入れ込みつつ
「オーガニック=安全だけではなくほかにもメリットがあるのですよ」と
いつもの調子で書いたわたくしに編集者がこう言ったのである。

「オーガニックが安全、ということ自体よく知らないので、
オーガニックのメリットは安全性だけでなく、という部分に違和感があります」

えええええええーそうなのぅ!!?? 驚愕するわたくし。

「オーガニックはなんとなくいいよね、というふんわりした感じなので
そもそも安全とかそういうのもよくわからないんです。
だからここ、削除するか変更してもらえますか」

オーガニック(というか有機)が安全じゃないとか週刊誌に書かれるたび、
オーガニックの価値は安全性だけじゃないでしょう!!! と
その他の価値をちゃんと書け!! とかイライラしていたわたくしの住む世界と
昨今の女子が住む世界との間に大きな深い谷があることをわたくしは知った。

もしかしたらわたくしたちは隔絶された山のてっぺんの小さな有機村に住んでいて、
フツーの人々はそこの住人のことすら知らないのではないか。
だとしたらどうすればいいのか!!! 共通の言語はあるのか!!!

わたくしはしみじみ考え込んでしまったのです。

一週間ほどそのことについていろいろ考えた結果、こう考えた。
「なんとなく良さそう」のままでいいんじゃん? べつに。

この「なんとなく良さそう」はおそらく、週刊誌やネットの
「有機危険」情報に出会うと「有機良くない」に変わるのだろうが、
女性の場合は妊娠・出産時に食べものについてもう一度よく考える時期が来る。
というか女子は『週刊朝日』とか読まないからその情報に触れない可能性もある。

彼女たちは安全な食べものが食べたいと思い、都市部であれば某D社とか
地方であれば生協などに入会し、そこから新たな情報を得る。

詳細情報はそのときにわかればいいのだ。生協や某D社が
「オーガニックはこういうもの」と手取り足取り教えてくれるだろう。
それまでは「オーガニックなんとなく良さそう」の人々にはただ、
「なんとなくじゃなくてほんとにいい」と言えばいいのではないか。

それ以上の説明を求められた場合、わたくしは今まで、
3年以上どうたらという有機JAS認証の説明から入ることにしていたが、
今後は以下のようにもう少しはしょってもいいのかもしれない。

・環境にやさしい農薬しか使えない
・一般では使われている遺伝子組み換えで有名な除草剤や、
 ガス化する危険な土壌消毒剤は使えない(カタイなーううううう)。
・農業資材や使える肥料がちゃんと決まっていてそれ以外は使えない
・つくった人がどんなふうにつくるのかちゃんとわかる
・輸入オーガニック作物の場合は収穫後に散布される農薬が使えない
・輸入時の植物検疫で何か見つかって燻蒸されたらオーガニックではなくなる

というようなことから環境にやさしく安心して食べられるのが
オーガニックなのです。というのではどうだろうか。

いや、しかし「肥料等が決まっている」とは「なんで」決まっているのか、
という説明がどこにも書いてないのは片手落ちであるどう考えても。

ここにはやはり「有機JAS認証」のことを書くべきではないか。
しかしそれを書くと「3年以上どうたらの圃場どうたら」が必要で、
そうなるといつもの説明と変わらなくなってしまうのだった。

ひー、困ったー。

それにここまで書いて気づいたが、もしかしたら「なんとなくいい」は
「お肌にいい」とか「健康にいい」とかを含んでいるのではなかろうか。
その場合、現在点では有機農産物にそのようなメリットがあるという
研究論文とかのエビデンスはない。つまりいいとは明確に言えないのだった。

やっぱり「なんとなくいい」というふんわりした妄想のまま
そっとしておいたほうがいいのかも。
なんちて年末にしみじみ思ったりしているわたくしでした。


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ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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