有機農業とオーガニックの狭間

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おせち料理をつくってみました。富澤商店の黒豆「飛切」を炊いたら、
あまりにもおいしくて、いつもは腐らせるのに完食したです。
黒豆ごときでこんなに味が違うのか!! としみじみ思いました。


麻布十番に日本最大級オーガニックスーパー・ビオセボン、オープン!!

最近Facebookでいろんな方々が投稿しているので行ってみたいが、
新年早々再度「良性発作性頭位めまい症」を起こしてしまい
頭がくらくらしていてお外に出られません。ううううう。

「2017年はオーガニック元年!」と喜ぶ人々もいらっしゃり、
どうも一部地域でオーガニック祭が始まっているようであります。

「大手流通がオーガニックを本格的に販売!」は喜ぶべきことだろうが、
なんとなく手放しで喜べないのは、
2011年ごろ自然食品店卸でアルバイトをしていたからだ。

「今年が元年ってさあ、数十年前からオーガニック食品を売っていた
自然食品店の立場は!」とか思ってしまうわたくし。

さて、自然食品店卸という業種は基本的にはそんなに儲からない。理由はカンタンで、
個人商店の小口発注に対して物流経費がかなりかかることにある。
また自然食品店自体も儲かっているのは一部のお店のみということもある。

2011年当時も、お店の名前は忘れたしすぐに閉店したようだが、
表参道あたりにオーガニックストアが華々しくオープンしたことがあった。
そこにはたくさんの若い男女が集まっているようだった。
自然食品店卸でバイトをしつつ、わたくしはしみじみ考えた。

「表参道のオーガニック」には若者たちが群れているのに、
「わが町の自然食品店」にはなぜ来ないのか。

その理由を見つけようと自然食品店を数店舗巡ってみて、
わたくしは自然食品店の悲しい問題点というか弱点をすぐに見つけた。
それが以下である。

※えーと、あのー、自然食品店全部がこうというわけではなく、
わたくしが行ってみた数店舗がこうだった、って話なので
自然食品店店主の方は怒らないでください。

1.青果物の鮮度が悪い

菜っ葉の袋に水滴がついている(物流の途中に温度変化があった証拠)、
袋から出た部分がしなびている(その結果劣化が進んだ)、
直射日光がガンガンあたっている(ますます劣化が進む)。

この三重苦に元産地担当だったわたくしは店先で卒倒しそうになった。

店内の冷蔵棚は豆腐や牛乳などの日配品や肉が独占していて
野菜が入る余裕がない、ということはすぐにわかった。
小規模なお店では冷蔵庫に入れられる商品の優先順位は決まっているから
しょうがないと言えばしょうがない。どうしようもないのだが、しかし。

2.ディスプレイが残念な感じ

そもそも自然派的な加工品のパッケージには残念な感じのものが多いが、
それらが雑然と陳列棚に並べてあるため全体的に残念さは加速度を増し、
商品が全部古そうに見えるという特殊効果を与えていた。

さらにPOPの古臭さ、ラベルの変色などがより古さを醸し出しており
見えないホコリが商品のうえに降り積もっているようで、
棚の商品全部が賞味期限切れではないかという気がしてきて全くウキウキしない。
本来楽しいはずのお買いものが全然楽しくなくかえって気分がふさいだ。

これでは売れないよね、と素直に思いました。

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年末年始の暴飲暴食で2kgは太ったはずなのですが、
その後の「めまい症」で食欲がなくなって、いつもの体重に戻りました。
わたくし最近「太ると体調を大きく崩して痩せる」ということを繰り返しており、
体がBMI21を維持するよう自動設定されているのかもしれません。


当時は震災の三ヶ月後くらいだったため、わたくしは若いお母さんや若い女性が
自然食品店に押し寄せてバブル状態になっているのでは! と想像していたが、
一部の店を除いては、別に押し寄せてはいないようだった。

「食料品店を開くことはその地域の住民に食を供給する責任を負うこと」と、
バイトしていた自然食品店卸の社長がよく言っていたが、
自然食品店の場合はその責任に「安全&安心」がプラスされる。

そのせいか、安全&安心な食材であればディスプレイなどはどうでもいい、
いい食材だから売れるのがあたりまえ、というある種の傲慢さがあるように感じた。
その「ある種の傲慢さ」は1970年代の有機農業運動の人たちにも共通していて、
大地を守る会でも昔は「いい食材だから売れて当然」とか考えていた(ようだ)。

この意識は農家にもあったはずだ。安全なら見た目は関係ない、とかね。
加えて「消費者を啓蒙する」的な意識もあって(ひー穴があったら入りたい!!)
わたくしもその末端にいて情報などをつくっていたわけです。

現在では「運動臭」とも呼ばれるその傲慢さやニオイは鼻につくし敬遠されるが、
正しいと思っている間はなかなか気づかない。わたくしがそうだった。
若者が来ない自然食品店は、これに気づくことができなかったのかもしれない。

そこに明るく楽しいキラキラした言葉「オーガニック」が登場した。
「有機農業」=ウザい&ピンとこない人々に対して訴求する魔法の言葉だ。

オーガニックに集まる人たちはおそらく「有機JAS認証は2年間農薬と資材云々」
なんてことはあんまり知らないのだろうと思うが、別にそれでいいのだ。
「オーガニックはなんとなく良さそう」でいいのだ。

有機JAS、無農薬、自然農法、どれが一番安全で、みたいな話もどうでもよくて、
とりあえず商品が古臭くなくておしゃれで鮮度がよくておいしくて、
ディスプレイが美しくお買いものして楽しい、ということがまず先だ。

それがマス(&若者)に訴求するということだろう。

昨今では、小田急沿線の成城石井や小田急OXを始め、サミットですら、
オーガニック食品をフツーに販売している。価格は割高だが手に取る人は多い。
ビオセボンに行かなくてもオーガニック食品は入手できる。

わたくしの元上司が「スーパーでオーガニックが販売されるようになったら、
大地を守る会の役割は終わる」と言っていたが、わたくしの家の近所では
実際にそうなっている。そこでは自然食品店は生き残れなかった。
成城学園前のナチュラルハウスが閉店したのは数年前のことだ。

有機農業運動からスタートした流通や自然食品店は一時代を作り上げ、
社会に貢献し、後継者もつくり、それなりの実績を上げてきた。

しかしここ数年、時代が有機農業を置いてきぼりにしつつあるように思える。
そのまっただなかである現在、時代に即した「オーガニック」に移行できず
狭間に落っこちそうになっている人や業態、流通があるのではなかろうか。

大地を守る会はOisixと統合してそこから抜け出せるかもしれないが、
その他はどうだろう。あそことか、そことか、こことか。

はからずも今年は「オーガニック元年」である。
みながうまく乗り切れるといいなと思っているわたくしです。


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ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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