テロワールと地理的表示の可能性について考えてみた

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京都のブランドたけのこ「シロコ」とか登録されてないかなーと思ったけど、
されてませんでした。というか、高齢化で品質が一定しないので、
大量に販売するのむずかしいって記事を見つけました。悲しい(泣)


先日、日本農業新聞に「地理的表示制度」の登録数が
35品目になりましたよね、という記事が掲載されていた。

記事の主旨は「家族経営の農家が地理的表示登録品目を守ってきた。
小規模な家族経営の農業者を大切にしなくては」的なものだった。
でも地理的表示制度(以降GI制度)ってそもそもそういう性格よね。

さて、GI制度とは、EUをはじめとする世界100カ国以上で導入されており、
簡単に言うと「地域ブランドの保護」が目的である。

基本的には国内での保護が主だが、GI制度がすでにある国と条約を結べば、
その国でも日本の登録品目が保護されることになる。

商標登録によく似ているが、商標権は個人が申請する私権であり、
管理や侵害された場合の訴訟等も個人がしなくてはならない。が、
GI制度は国のお墨付きのため、そういった介入は国が行う。
介入どころか監視もしてくれるのだ。すげーなGI制度。

また、GI制度の登録は生産工程管理を含めて行うため
品質についても一定以上のレベルが担保される。
商標では品質のレベルや生産工程管理は保持は登録上とくに関係ない。
ブランドの質と中身が違うということだ。

大きく違うのは、GI制度は「地理的」表示というその名の通り
「地域との結びつきが強固なものに対して与えられる」のであり、
なんか最近あのへんでいちごつくってるし人気あるから
地名つけて売っちゃおう、みたいなものは登録できない。

登録品目35品を見てみればそれは一目瞭然なのだった。
ちなみに神戸ビーフ、但馬牛、黒崎茶豆、鳥取砂丘らっきょう、市田柿など、
「あら、ウチの名産が」的なものがたくさんあるので楽しいです。

GI制度は基本国内に適用なのだが条約を締結すれば海外でも保護される。
現在決まっているのは、タイとベトナムの2国のみだが、
進行中のEUとのFTA交渉では、EU側の関心事項として
テーブルに上がっているからそのうち締結されるだろう。

また、GI相互保護はTPPでも検討されていたが米国が乗り気でなかった。
TPPで締結されれば一気にGI制度に登録した商品が保護されるから、
日本の知的財産権の保護につながっただろう。

とっかの国の「偽物神戸ビーフ」「偽物さくらんぼ」などで
ブランドを傷つけられることもなくなるのだがしょうがないのだった。

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GI制度登録商品の写真で唯一持っていたもの「東根さくらんぼ」。
「山形さくらんぼ」ブランドは、生産量よりも多く出回ってるとか
よく言われますが、GIで保護されるとそういうのできなくなります。



んで、テロワールである。

テロワール(Terroir)

「土地」を意味するフランス語terreから派生した言葉である。
もともとはワイン、コーヒー、茶などの品種における、生育地の地理、
地勢、気候による特徴をさすフランス語である。
同じ地域の農地は土壌、気候、地形、農業技術が共通するため、
作物にその土地特有の性格を与える[1]。(Wikipedia)

これはワインに限った話ではなくその他のもの、たとえば
コーヒー(ブルーマウンテン)や紅茶(ダージリン)などにもあてはまる。
どちらもその地域の気候や土質、製造方法などが関連するからだ。

というか実はこれ、黒埼茶豆にも鳥取砂丘らっきょうにもあてはまるのだ。

日本にはその土地の気候や土質、地理上の特性を活かした農産物が多い。
登録はされていないがだだちゃ豆などがそうである。

よその地域で栽培しても同じ味にはならないし、
タネをもらって植えてみてもうまくつくれなかったりする。
これは土質や気候だけでなく、微生物やもしかしたら昆虫など
地域の環境全体が栽培や生産に必要ということだ。

ってことはこれもテロワールでしょう。

EUではGI登録商品は一般の商品よりも高値で取引されており、
日本では登録後後継者が増えた例(砂丘らっきょう)があるらしい。
(農水省の地理的表示法についての資料に書いてありました)
海外に広がるとさらにさらに可能性は広がる。

国内では、メジャーではなくても地域で連綿と消費されてきた、
地元ではあたりまえでも一般には全く知られていない特産品がまだある。
それらの知名度が上がると地域活性につながるかもしれないし、
経済的な効果が実際に上がるかもしれないのだった。

すげーおもしろい!!

消費者的には単に「おいしい」とか「めずらしい」だけでなく、
その「もの」が生まれるまでの物語を知ることが、地域の環境、
そして自分が住む日本という国の食や環境の多様性を感じる素材となる。
ついでにいうと、その作物が保護=環境も保護されるのではあるまいか。

つーことでわたくし的に現在「テロワール」に興味津々で、
そういうものつくる「場」を見に行きたいなーと思っております。


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Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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