無肥料無農薬「道法メソッド」の勉強会に行ってきた

022_20170718111130ef2.jpg
主枝は4本。葉っぱの付け根から出る脇芽には2個ならせて切り取ります。
切り取るときは枝の途中からではなく、枝の付け根からが鉄則。
途中で切ると植物ホルモンの流れが悪くなり生育が不良になります。
早いうちに4本数えとかないとわけがわかんなくなるので要注意→今ここ(泣)


柑橘栽培の「切り上げ剪定」で著名な道法正徳さんとわたくしの縁は
2010年の大地を守る会の柑橘会議がきっかけである。

あまりにもシンプルなその理論に「ほんとですか」と思いつつ、
道法さんの園地に実っているレモンに病気が出ていないことや、
市販のものと変わらない見ための良さなどを目の当たりにして
理屈はわからないけど有効な方法である、とわたくしは結論づけた。

その後、ナスの仕立てを教わり、ナスがバンバカできて11月まで取れたり
よそんちで病気が出ても治ったり、全く病気にかからなかったりするのを体験し
やっぱり理屈はよくわからないが有効な方法である、と思ったわたくし。

そんなある日、Facebookをだらだらと見ていたら
道法さんの技術を学ぶ会の告知をお友だちがシェアしていた。
つーので、行ってきました。道法メソッドのお勉強会。

道法さんのやり方、というか理論は非常にシンプルで、
果樹の場合は枝をどんどん上に伸ばすというものだ。

というか横に出た枝を切ってしまう。これは相当受け入れがたい技術ではないか。
わたくしごときの果樹(落葉だけど)知識でも「えええー」と思うくらいだ。
しかし柑橘類では実践者も多く、成功している人も多いそうだ。
だってさあ、隔年結果しないんだってよ。スゴいじゃない?

さらにわたくしはこれを聞いて大変とても驚愕したのだが、
道法さんの畑ではまだレモンが木になっているらしい。

レモンは今年の花が咲くときには去年の実がまだついている。
その後着果してグリーンのちっちゃいレモンになっても
去年の黄色いレモンがまだ枝についていて、言ってみれば
二世代同居期間が2か月くらいある(らしい)。

通常レモンの二世代同居期間は6月中旬くらいまでで、
それ以降もつけておくと果実がスカスカになる「す上がり」になるため、
その前に全部収穫しなくてはならない。

最近国産レモンを見かけないが、売られているとしたら貯蔵ものである。
木で熟したレモンは貯蔵に向かないため貯蔵ものは早いうちに収穫してある。
ここんとこ、りんごと同じね。

028_201707181111291d1.jpg
真横から見たらこんな感じ。一本の支柱にぎゅっと縛り付けられてます。
枝がナナメになっていると脇芽が上に出る、という性質があるため、
まっすぐ上にしとかないと内側に芽が出てきてめんどくさくなります。
ちなみにピーマンも主枝4本で脇芽には2つ付けて切り取り。
この主枝の本数も経験値で決まってるそう。



ということで、現時点で木についているレモンは売られていない。しかし
道法さんのレモン畑にはまだレモンがついていて8月まで取れるらしいのだ。
もちろんす上がりなどしておらず果汁はたっぷりでずっしりと重く、
さらにレモンとは思えない独特の香りと味である。なぜか皮までおいしい。

そーかー、レモンにも完熟とかあるんだなーとしみじみ感じ入ったわたくし。
これが切り上げ剪定の成果である。

この時期の国産レモンは貯蔵ものが出荷されているが絶対量は少ない。
そんなところに無肥料無農薬という付加価値レモンが出荷されたら?
実際に通常よりも数百円(kg)高く売れているそうだ。

人の出せない時期に出す。これは農業における「儲けるための鉄則」である。
そろそろ飽和状態になるのではという国産レモン業界において、
このような儲け方ができるとは。まさに技術の賜物である。

ではその道法メソッドとは? 果樹の場合は本を読んでいただくとして、
今回お勉強した畑作では、チョー簡単に言うと以下のようなものである。

1.トマトナスピーマンきゅうり、すべての枝を真上に向け支柱に縛りつける
2.枝や葉を途中で切らない。切る際には切る「場所」にルールがある
3.無肥料で大丈夫。でも水やりは必要
4.高畝にしない。不耕起でOK

おお、なんてシンプルなんだ!!! でも大規模栽培には向かないわ。
っつかそもそも自然栽培の技術なので大規模栽培の人はする必要はない。
そして家庭菜園をやってる人にとってはバッチリの技術なのだった。

わたくしのほんたべ農園では今年からトマトでもやってみているが、
すでに12段ほど着果しているのだ。ひゃっほう!!!
今までどんなに多くても1本の木から8段しか取れなかったのに、
いきなり12段! あふれる欲! すごいぞ道法メソッド!!!

さてこの「上に向ける」理屈はというと(わかってないので聞いたまま)、
枝を上向きにすると活性化する植物ホルモンがありその作用を利用する、
というようなことである。

078_20170718111128653.jpg
ほんたべ農園のトマト。主枝4本伸ばして脇芽は全部かいてます。
自根トマトと新品種の2本がはかばかしくないけどあとはすごく元気で、
着果は現時点で12段(3つずつ)。近隣のじいさま方が見に来るほど立派らしい。
ちなみにこの3段は1本の木の違う枝についてるもの。ちゃんと赤くなったー。



果樹農家では常識だが、枝を全部上向きにすると樹勢が強くなり
花ぶるいが起きて収量が減るから、結果枝は下げなくてはならない。
矮性台のりんごの枝がヒモで誘引して下げてあるでしょう。
枝は下げる、あるいは横に伸ばす、がおおむね鉄則である。

枝を上向きにすると樹勢が優勢になりどんどん伸びる。
肥料をやってるとジベレリンがさらに活性化してアホほど伸びる。
だから肥料はやらず、植物の力だけで伸ばす→無肥料。

新芽が伸びると成長点にオーキシンという植物ホルモンが生成され、
根っこに移動して根を伸ばす。根が伸びるとジベレリンと
サイトカインが分泌され花や枝に移行し、さらに新芽を伸ばす。
新芽が伸びると新芽にオーキシン(以下延々繰り返し)。

「枝を伸ばす」ことで病害虫を予防するエチレンも生成され、
病気や虫を寄せつけなくなる→無農薬 というような理屈である。

科学的にどういうしくみですか? と聞かれてもわたくしにはわからない。
植物ホルモンがどのように生成され活性化するのか勉強していないからだ。

しかしほんたべ農園では、ナスもトマトもピーマンも
現時点で病気も出ず花ぶるいも起きず、できたものはちゃんとおいしいのだ。
すんばらしいではありませんか? 
とりあえず理屈はあとでいい的状態のわたくし。

ということで、興味のある方、詳しく知りたい方は
『野菜だより』という学研の雑誌で道法さんの「縛り」が紹介されてるので
見てみてください。と思って探したけど何月号かが不明です。

ううううう。誰か教えて。
→野菜だより5月号だそうですよー。


★現在ブログランキング参加中です!
↓プキッとクリック、ご協力お願いいたします!



こちらもよろしくお願いいたします!
にほんブログ村 環境ブログ 有機・オーガニックへ
にほんブログ村
関連記事

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

No title

奥が深いですね。
初めて見聞する内容で驚きを隠せないといった感じです。

写真から見る限りどう見ても4本仕立てには見えません
1本仕立てではないかと思ってしまうんですけど

本当に驚きの連続です

Re: No title

なす農家さん、コメントありがとうございます。

> 奥が深いですね。
> 初めて見聞する内容で驚きを隠せないといった感じです。

初めてナスを仕立てたときそう思いましたが、たいして肥料もやってないのに
どんどん樹勢が強くなっていったのには驚きました。

九州のナス農家で道法さんの指導を受けている方がいるそうですが、
ナスの枝の誘引って畝の端っこに支柱を立てて長い紐をわたしますよね。
その幅を狭くするだけでいいらしくて、すごく収量が上がったと喜んでたそうです。

>
> 写真から見る限りどう見ても4本仕立てには見えません
> 1本仕立てではないかと思ってしまうんですけど

トマトのことっすか?
ナスのこと?
どっちにしても、4本ぎゅーっと縛ってます。

実際に見てみるまでどんなふうにするのかよくわかってなくて、
1本ずつ支柱に縛り付けてたのですが、
そうすると真上になっていなくて、内側から芽が出てきます。
そうするとさらに縛りにくくなる、という悪循環でした。

4本全部ぎゅっと縛ると芽は外側に出てきて、
ナスも全部外側になるので収穫しやすくなるのです。

>
> 本当に驚きの連続です


ほんとですよね。
植物ホルモンの勉強をしたいと思いました。
プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QR