日本一おいしい豆腐の秘密―埼玉県・もぎ豆腐店

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粒のそろった美しい大豆。これがお豆腐になるんですね~。


実は私、子どものころ木綿豆腐が嫌いでした。
布目の部分の硬さがまず嫌い。全体的に苦いような味がする気がして、
つるつると飲める絹豆腐しか食べない子どもだったです。

木綿豆腐がおいしいと思うようになったのは、大地を守る会の会員になってから。
当たり前のことなのですが、豆腐の味は大豆の味なのだと気づきました。

そしてある日。
埼玉の農家回りをしている時、ものすご~くおいしい豆腐に出会いました。
木綿豆腐と思えない柔らかさ。しっかりと感じる豆の甘みと豆の味。
醤油をかけるのがもったいないほどの、その豆腐の名は「三之助豆腐」と言います。

全て国産の原料を使い、加工用の大豆などは一切使用しないそのこだわり。
その三之助豆腐を作っているもぎ豆腐店さんに行ってきました。

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加熱した豆乳が出てきたところ。お豆腐の製造ラインは深夜稼働なので見ることができず。
今回は油揚げの製造工程をご紹介します。



さて、お豆腐の原材料ってどんなものでしょうか。

まず大豆、そしてにがり。さらに水。
えっ?それだけなの?と思うほどシンプルな材料で作られています。

しかし、シンプルだからこそ、原料の味がストレートに出るのが豆腐という食べもの。
大豆の味・組み合わせで、柔らかさや食味に大きな違いが出るのですから驚きます。

いい大豆を使わなければおいしい豆腐ができないってことですね。

でもでも。最近ちっとも話題になりませんが、
豆腐の製造工程には、実はいろいろな化学物質がひそんでいるのでした。

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豆乳に、にがりを投入! 固まるまではほんと、あっと言う間です。
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「よいしょ」っと器具を上下したらもう凝固してしまいました。
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もろもろの豆乳をプレスするため、バットに流します。
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プレス後の油揚げのもとは当然だけどちっこい豆腐でした。意外と小さくて厚いのですね。


一般で販売されている豆腐の原材料表示を見てみましょう。

大豆。原産地表示をチェックしてみましょう。国産だったら国産大豆と書いてあります。
そして凝固剤。海水から塩を分離する過程でできるにがりを使っている場合は、
塩化マグネシウム含有物・粗製海水塩化マグネシウム等と表示されています。
(含有物とか粗製海水とかいう表示のあたりに「自然なんだよね」という主張を感じます)

そうでなければ化学物質の名(硫酸カルシウム等々)が書いてあります。
他に何でも固めてくれるグルコノデルタラクトンという物質が書いてあることもあります。

さらに、豆乳を加熱する際発生する大量の泡を、きれいさっぱり消してくれる
お豆腐屋さんにとっての魔法の物質、消泡剤が添加されている場合は、 
「消泡剤」あるいは「グリセリン脂肪酸エステル」と表示されています。 
(添加率によっては表示していない場合もあります)

けっこうな添加物が入っているのですね。ちょっと驚きます。

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もぎ豆腐店の油揚げの油は、なんと国産ナタネ油100%!。
ナタネ油ですよ!国産ですよ!高いですよ!「原料は絶対国産」というそのこだわり。スゴイです。

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お豆腐状態だった油揚げが油揚げらしくなって来ました。
最初は低温92℃、そして111℃、最後は170℃。油の温度はきちんと管理されています。

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もう出来上がり間近。油揚げだけじゃなくて、がんもの揚げ油も国産ナタネ油。
もぎ豆腐店の揚げ物は、油がおいしいので湯通しをする必要はありません。
香ばしい国産ナタネ油の味も楽しまなくちゃ!って感じです。



さて、昔ながらのにがりを入れて消泡剤も使わずに豆腐を作る場合と、
グルコノデルタラクトンと消泡剤を使って豆腐を作った場合の差はなんでしょう。

ズバリ、それは「歩留まり」です。
絹豆腐で比較して約2倍の製品ができるそうですから、びっくり。

消泡剤を入れると煮えムラがなくなるため、大豆はよく煮え、豆乳もよく搾れます。
最近の消泡剤はPH調整もされているので、豆腐屋にとっては便利なもの。
多くの豆腐メーカーで使用されています。

ただ、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトン等を使うと、
豆乳濃度が薄くても比較的簡単に凝固させることができるため、
味の薄い豆腐になってしまいます。

化学物質を添加すると豆腐は作りやすくなり、職人の技も必要なくなります。
そして一番のメリットは、簡単に少ない大豆で大量の豆腐ができること。
そうして「なんかいまいち」な味の豆腐が一般的になるのですね。

豆の味がそんなにしないお豆腐…おいしくないと思うです。


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おいなりさんにできるよう、エアを吹き込んで中をはがしています。
ぷっとふくらんでるのが見えますか?
こんな細かいことをしてたんですねえ…知りませんでした。勝手にはがれるんだと思ってました。

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できあがった油揚げをパック詰めしました。これがお店に並びます。
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最終検品ではじかれた油揚げくん。エアを入れた穴が目立つからってことだそうです。
その他ちょびっと破れてたりとか、はじかれる理由はいろいろ。
素人には「どこがダメなの~?」って感じです。



もぎ豆腐店はむか~しから、原料大豆の選択が非常に厳しいことで有名なメーカーでした。

以前勤務していた会社の在庫大豆を売り込もうとして、
関係者に「ムリムリムリムリ、絶対ムリだから。絶対やめて」と言われ、
売り込みすらできなかった思い出があるほどです。

それもそのはず、三之助豆腐の原料大豆は、粒のそろった等級の高いものだけ。
粒がそろっていない加工用大豆やヒネ豆は絶対に使いません。
なぜなら、そういう原料ではおいしい豆腐ができないから。
いい豆を使ってこそおいしい豆腐ができるというその方針は徹底しています。。

このこだわり、一般的なメーカーではなかなか難しいことでしょう。

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大豆倉庫で見つけた丹波の黒豆。煮豆にする等級の高いのものを豆腐にするのがもぎ豆腐店。
この「黒豆豆腐」は利益はほとんどないそうですが、そりゃそうだよね。丹波の黒豆だもん。



原料価格が上がれば、最終製品の価格が上がるのは加工品メーカーの宿命。
食べものの価値が価格で測られている昨今では、
一丁300円以上するお豆腐は、ちょっと手が出ないという人も多いかもしれません。

でも、おいしいものを食べて得られる幸せは、他のものには代えられないもの。

柔らかくて豆の甘みをきちんと感じられる豆腐。
あれこれと味付けをしなくても、そのものだけでごちそうになる一品。
そういう食べものって、最近なかなか見つかりません。

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普通のお豆腐よりもサイズの大きいのが特徴の三之助豆腐。
この大きさが、三之助豆腐の柔らかさや味わいを一番感じることができるからだそうです。
大きさにも意味があるのですねえ…。



すこ~しあっためた、豆乳の香りのたつほんのりぬく~いお豆腐を
うまい酒をちびちび飲みながら食べるひととき…あー幸せ。

そういう時間も味わえる「三之助豆腐」。ぜひ一度食べてみてください。
きっとふにゃっとした幸せがあなたを満たします。


三之助豆腐はWEB販売も行っています。詳しくは以下から
http://www.minosuke.co.jp/
東京界隈ならば、成城石井で買うことができますよ~。


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豆腐は僕も作ります。

美味しい豆腐、いいですね~。
農業はわからないけど、豆腐の話なら僕も得意です!

●さて、よい豆腐と、ダメダメ豆腐は、
重石をかけて<水抜き>してみるとよくわかります。
ゴーヤチャンプルーなどを作るときにやるアレですが
まな板を斜めにして豆腐の上に板(小さいまな板など)を置いて
上ならペットボトルなどを置いて、<水抜き>してみると

コンビニの豆腐などは、大抵ペッチャンコになって
ちゃんとした豆腐は、3割くらいしか体積が変わりません。
その「何でも凝固材」の使用がバレバレになります。

●次に、豆腐の美味しい食べ方は<にがりを抜く>事です。
やり方はカンタンで、
豆腐を水から茹で始めて60℃くらいでやめる。これだけです。
60℃は、豆腐が鍋の中でゆらりと動く程度。
決して沸騰させてはいけません。
水は、水道水でいいので30分ほど汲み置きしてカルキを抜いたもの。
これだけで、豆腐は抜群に美味しくなるし
どんな美味しい豆腐も、これをやらないと美味しくありません。

●美味しい豆腐の見分け方は
一度<自分で豆腐を作ってみること>です。
大豆をミネラル水に浸して戻し、その水で煮て豆乳を絞り
にがりを打って、型に入れて出来上がりです。
良い大豆、良い水、天然のにがり…で、美味しく出来ます。
※もちろん、美味しい湯葉も出来ます。
参考:http://gandam4d.blog8.fc2.com/blog-entry-133.html

その時、めちゃくちゃに美味しい「おから」が取れますから
これにも「ビックリ」すると思います。
※素人なので、ちゃんと絞れず、旨みがたっぷり残るからです。

以上、これだけやると、かなりの<豆腐通>になれます。
僕のブログに書くより、ここにコメントする方が
パブリシティ効果が高かったりして(苦笑)

●油揚げの穴…
昔、お袋に、油揚げには必ず1箇所、穴が開いているから
巾着を作るときは、そこから開くのだ…と教わった事を懐かしく思い出しました。
なるほど、そういう穴だったんですね(笑)

※僕のトマトラーメンの記事(最後の方に)
大地の会のタブロイドチラシをさりげに乗せて置きましたので
よろしければご覧ください。(クリックして拡大できます)

長々とコメント、失礼いたしました!

Re: 豆腐は僕も作ります。

癌ダムさん

私も豆腐を一度だけ作ったことがあります。
うまみが全部おからにいってしまった失敗作。
理由は、ミキサーでじゅうぶんに豆を砕かなかったからでした(泣)。

にがりを抜く方法、初めて知りました!
今度やってみます。三之助豆腐がもっと美味しくなるかも~。

豆腐情報ありがとうございました。
大地のチラシ、気づかなかった…これから見に行きます。

補足と訂正

あの…にがりを抜くために使った「茹で汁」は捨ててくださいね。
にがりが出ているので美味しくありません。

奴なら冷やす。煮奴なら、鍋を替えて温めなおす。
湯豆腐なら、同じく鍋を替えるか、出汁で温める。…ということで。

さて、大地の記事も、今日のブログでした。スミマセン

Re: 補足と訂正

癌ダムさん

> あの…にがりを抜くために使った「茹で汁」は捨ててくださいね。

了解です!
やってみます!!楽しみです!

> さて、大地の記事も、今日のブログでした。スミマセン

そうでしたか…やはり。
どこかに隠しデータとかあるのかな…とあちこちクリックしてみたりしましたです。

時々チラシを見せていただけるとうれしいです。
ありがとうございます。

お豆腐で一杯・・・最高ですね。

こんにちは。
写真見てるだけでお腹が鳴りました。

偶然こんど友人とお豆腐料理のお店に行こう!と約束したばかりだったので、いい話のネタができました。
さりげなくウンチク話として使わせていただきます(謝)。
そのお店のお豆腐も、この三之助豆腐みたいに濃厚で美味・・・ならいいんですが。

ちなみに僕は子供のころからの木綿派です。

ではでは v-22

Re: お豆腐で一杯・・・最高ですね。

Fuさん

こんばんは。

お豆腐専門のお店、いいですね。
お酒がうまそうです(勝手なイメージ)。
ぜひ、うんちくに使ってください(笑

ところで三之助豆腐、豆乳濃度はそんなに濃くないんです。
濃厚の代表は「男前豆腐」。
すごく豆乳濃度が高く、それがウリだったそうですよ。

でも毎日食べるにはちょっと飽きる味。
インパクトが強いので最初の一口はいいけど、その次がちょっと…なんですって。

三之助豆腐は、毎日ぱくぱく食べられる味になっているそうです。
たま~に食べるよりも毎日食べたい味を目指す…いいですよね~。

なるほどー

毎日食べたい味。うーん、なるほどです。
三之助豆腐、今度ぜひともお取り寄せしてみますね。
どんな味なのか、とっても楽しみです。
毎日お取り寄せしたくなったりして(笑)。

リンクの件、ありがとうございました!
こちらも貼らせていただきましたので、どうぞよろしくお願いします。

ではでは v-22

Re: なるほどー

Fuさん

ぜひ食べてみてくださいませ!
もぎ豆腐は本庄市にあるので、そちら方面においでの際はぜひお店に行ってみてください。

ところでFuさん、埼玉県戸田市在住ですよね?
私の元会社、昔、最寄駅が戸田公園駅でした(その後幕張へ引っ越し)。
だから何だって話じゃないんですが、ちょっと親近感。

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プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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