「オーガニック=おいしい」は幻想である(宣言)

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枝豆をつくるのが上手な人っていますよね。この人の枝豆
とにかく絶品! って人。土なのか技術なのかは不明ですが、
枝豆って意外とおいしくつくるのがむずかしい作物だと思っとります。
粗放でもできそうだけど、粗放だとそれなりの味にしかなりません。



オーガニックの価値を尋ねられた際になんて答えるか。
有機農業関係者ならむーと悩んでしまうところでありましょう。

すぐに思い浮かぶけど同時に反論も思い浮かぶのが「安全性」。
何と比べて安全なの? っていうか、その他のものは危険なの?
とか聞かれるとグッとつまります。こんな質問には答えられません。

なのでわたくしは絶対に、ずえーーーったいに「安全」とは言いません。
でも栽培履歴が追え法律に準じてつくられていることから「安心できる」とは言います。

言いたくなるけど意外とちゃんとしたエビデンスがない「栄養価」。
一般的な栽培のものとオーガニックでは栄養価に差はない、というレビューが
2009年英国食品基準庁(FSA)から出されたのは記憶に新しいところです。

抗酸化物質とかその他まだわからない成分(波動とか)に優位性がある、
というような話になるとよくわからなくなってしまうため、
「現時点」では「差がない」と考えていいのではないかと思います。
きちんとした研究論文がそのうち出るでしょう。それを待ちましょう。

そんな「何にも言えないじゃん」的な状態のなか、
なんとなく説得力がある価値が「おいしさ」です。

だって農薬散布してないし化学肥料も使ってないし堆肥とかだし
生産者だって一生懸命つくってるもん、おいしいに違いない。
てな感じでしょうか。

一般栽培と比較してオーガニックは手間とかも大変なので
そのがんばりに対して「おしなべておいしい」と言いたくなりますが、
わたくし的には「おおむねおいしい」くらいかなと考えております。

とは言え「オーガニックって一般栽培のものよりおいしいんですよね?」
なんちて聞かれた場合、わたくしはとくに否定はしてきませんでした。
そう言いたい気持ちとか販促的にもすごーくよくわかるからです。

が、しかし。

先日わたくし有機JASマークのついているだだちゃ豆を購入しました。
枝豆は鮮度が命です。届いたら速攻で食べねばなりません。
さっと茹でてワクワクしてつまみ食いした有機だだちゃ豆は
悲しいことに渋みというかエグミの勝ったものだったのです(泣)

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以前西出さんとだだちゃ豆の畑を見に行ったことがあります。
広大な面積に植わってる豆は旱魃のせいでカルシウム欠乏が出ていました。
豆に潅水なんてしないよね、とおっしゃっていましたが、そのあたりが
おいしい豆をつくる人とそうでない人の違いかもしれません。とは言え
圃場が有機JASを取得していれば有機枝豆で出荷できるのです



そもそもスーパーで枝豆を買うことがないので、一般栽培がどうなのか
わたくしは知らないのですが、近所のJAが経営している直売所の枝豆は
(鮮度の問題もあると思うので単純に比較してはいけないのですが)
いつもステキにおいしくビールがビシバシすすみます。

プロのつくった枝豆が渋い(エグい)とはどういうことだあっ!!

理由が知りたくて師匠・西出隆一さんに電話して聞いてみたところ、
「渋みの原因は主にカルシウム不足だけどチッソが多くても出る」とのこと。
チッソ過剰は想像していましたがカルシウム不足は知りませんでした。
さすがは師匠です。

豆はカルシウムが大好きなのですが、枝豆を栽培していると
潅水設備のないところでは旱魃時にけっこうカルシウム不足が起こります。
水分がないとカルシウムを吸えない、ってのが原因です。

しかしここんとこ雨降り続きでどこも水は豊富にあったはず。
なので考えられるのはチッソの過剰です。
硝酸態窒素は水に溶けやすく雨が降ると作物はどんどん吸ってしまうのです。

チッソ分をそれほど必要としない枝豆がチッソ過剰になる理由は
そもそも下手くそ、あるいは土づくりができていない、残肥があった、
何も考えず減反の畑に堆肥を入れてつくった、などが考えられます。

あんたねー、そこまで言う? とか言われそうですが、
わたくし的には家庭菜園の素人(わたくし)がつくるならまだしも、
プロの農家が渋い枝豆をつくるなど許せん! と思ってしまったのです。
わたくしの心はこと枝豆に関しては非常に狭い、と言えるでしょう。

以前腹立つほどおいしくない有機サトイモを食べたときは
二度と買わなきゃいいんだもんねと思った程度でした(告白)。

ケチ臭いことを言うようですが、有機という価値のぶん価格もそれなりです。
であれば、食味にもう少し気を使うべきではないでしょうか。つーか、
有機JASマークがついているからこそおいしいものであって欲しい、というのは
わたくしのエゴなのでしょうか。うううううう、そうなのかなー(泣)

わたくしは渋い枝豆を食べつつ自分にガッカリしてしまいました。

なぜ? オーガニックに期待を持ちすぎていたことに?
そういう先入観を持たない自分でありたいと思っていたのに、
オーガニックは特别だとなんとなく思い込んでいたことに?

自らを激しく反省し、今まであいまいにしていた

「オーガニック=おいしい」は幻想である、とここに宣言いたします。

そういうことを言う際には「おおむね」をつけましょう。
いや、つけなくてはなりません。

しかしいつか「オーガニック=おいしい」と言える日が来るといいな。
とエゴ丸出しで希望を述べてみるわたくしです。


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ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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