オーガニックと国産、どっちを応援したいのか自分

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養豚農家に豚の人生についての取材に行ったことがあります。
子豚がとてもかわゆくて、家に連れ帰りたいくらいでした。
しかしわりとすぐ死ぬそうです。子豚って弱いのですね。
だからこそ、豚は多産なのかもしれないですが。



先日賑々しく開催されたオーガニック・ライフスタイルエキスポの
「アニマルウェルフェアセミナー」に参加し、わたくしは
鶏肉と卵、牛肉で有機JAS認証を取得している人がいると知った。

すげー! 畜産で有機!?

有機畜産は飼養管理などにも細かい決まりごとがあるが、
とりあえず「スゴイ!」と思った理由は飼料である。

鶏の飼料のベースになるのは有機飼料米だと思うが、
その他に輸入オーガニックの穀物飼料(トウモロコシとか)が必要だろう。
2012年ごろに聞いた話では、オーガニック飼料価格は通常の2倍。
ってことは販売価格も2倍にならなくては割が合わない。

オーガニックの穀物飼料を探して配合してもらうのも大変そうだ。
そのあたりは飼料会社との連携が必要である。そうなると
もともとの経営規模がかなり大きくないとむずかしいだろう。
飼料会社はロットがまとまらないとやってくれないからである。

つーことでその、オーガニック卵と鶏肉にわたくしは大変とても感動し、
取材に行きたい! ぜひ行かせてください!! と名刺をもらった。

そしてひと月。なぜかいまだにアクションを起こしていないわたくし。
理由は「スゴイけどほんとにそれを応援したいのか自分」的な
大きなクエスチョンマークが頭の上に浮かんでいるからである。
何が引っかかっているかというと「輸入オーガニック飼料」である。

さて、わたくしが働いていたころの大地を守る会で、
とある養豚農家が全て国産飼料で育てた豚をつくる試みを始めた。

国産の飼料ということは、主たる飼料がトウモロコシではなくなり、
大豆などの代替飼料を探して日々自分で配合するということである。
飼料が変わると生育も肉の味も変わってしまう。

一般的に畜産飼料は飼料会社が最初から配合しているものを使う。
子豚→育成期→肥育期とそれぞれの段階の適正な配合飼料がすでに用意され
自分で飼料を探して混ぜたり作ったりする必要はない。

子豚はすぐに死んでしまうから、配合飼料には抗生物質が入っているが、
それでも子豚はわりとよく死ぬ。
飼料を変えた彼の子豚は毎日コロコロ死んでいった。
まずは国産飼料で子豚が死なない配合を見つけなくてはならない。

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飼料米を与えた卵は黄身の色が白くなります。玉子焼きをつくると
白っぽいのができます。オムレツも白いです。飼料を変えると
卵の色は変わります。でも配合飼料の味がしなくなり、
大変とてもおいしい卵になります。



ある程度豚が育っても屠畜したら肉がおいしくないことがわかった。
今までの豚、あるいはもっとおいしくなる配合を試さなくてはならない。
おいしくない豚は出荷できないし結果がわかるのは屠畜する210日後だ。

ひー大変!

てな試行錯誤を約一年ほど続けた結果、国産飼料の豚肉が完成した。
その後、彼の配合をもとに国産飼料の豚を育てる農家が数軒増えたが、
「すげー大変だった」という彼の開発秘話はたいして紹介されなかった。

「国産飼料で育てるなんて大変!!!」とは誰もがなんとなく思うが、
具体的に起きたことは現場の話を聞かねばわからない。
わたくしは後日この話を聞き、記事にしなかったことを悔やんだ。

現在は、この国産豚は誰も育てていない。毎日毎日飼料を自分で配合、
なんて手間がかかることをやりたい人はいないのだ。
その手間のぶん価格は高くなるが高いと消費者は買ってくれない。

これに「オーガニック」というわかりやすいラベルがついていれば
消費者は理解する。とくに価格的な部分での理解度はかなり高いだろう。

しかし「国産飼料で育てた豚の何が違うの?」と言われれば確かにそうだ。
自己満足? いやいや、輸入穀物は他国の水資源を収奪してるんだから、
とかそのほかいろいろ意義はあるが、なんのことやら~? って感じだ。

なんて思うと「オーガニック」「国産」という価値について
いろいろ考えさせられてしまうよね。

実は大地を守る会には卵を国産飼料でつくってる農家がまだいる。
その人も毎日毎日自分で飼料を配合して鶏に与えている。
彼はたぶん鶏が大好きなのだ。でないと、毎日早朝から
飼料のクズ大豆を何十キロも煮るなんてことはできない。

わたくしはそういう人たちのことが好きである。
そしてそういう愛すべき人を応援したいと思う。

つーことでわたくし的にはやっぱり「オーガニック<国産」だと、
いまさらですが決意をあらたにした次第であります。
つーことで、今月中旬になかほら牧場さんに、
来月は阿蘇にあか牛の取材に行ってきます。


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手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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