ミツカンミュージアムで知った驚く「酢」のさまざまこと

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愛知県半田市にあります、ミツカンミュージアム。のすぐ前に
予約しないと入れないチョー有名な和食の料理屋さんがありました。
看板も出てなくてビビりますが、いつか行きたいと思いました。まる。

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こんな感じで昔の酢の作り方が実物大の模型で紹介されています。
興味深いです。

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施設の前に水路があり、そのまま川を下れば太平洋に出られます。
江戸まで船を仕立てて行けるよねって感じでした。



酢、と言えばミツカン酢。すっぱい、と言えばミツカン酢。
会社名は「株式会社ミツカン酢」だと勝手に思い込んでいたが、
ほんとは「株式会社ミツカンホールディングス」で、
いろいろ手広く事業が行われているようである。
http://www.mizkan.co.jp/company/

小学校の調理実習で初めてつくったフレンチドレッシングに、
バレー部の合宿で食べたポテトサラダやきゅうりのすのものに
母がつくる冷やし中華のタレもむせる酢のものにもミツカン酢は入っていた。
わたくしが一人暮らしをして初めて買った酢もミツカン酢である。

「日本人にとって酢の味はミツカン酢がベースなんですよ」と、
先日取材した京都のお酢やさんが言っていたが、
それほどまでに日本人とミツカン酢のつながりは深い。
当然だが酢におけるシェアもミツカンがナンバーワンである。

ということで、愛知県半田市にあるミツカンミュージアムに行ってきた。

ミツカンの創業者はもともとは造り酒屋の養子であった。
分家した彼は、酒の副産物である酒粕を使って酢づくりを始めた。
当時江戸では今の握り寿司の原型である寿司が流行り始めたところで、
「酢」に大きな需要があった。が、当時の寿司屋は高い米酢を使っていた。

そこで彼は酒粕からつくる安価な酢を江戸に売り込むことを思いつく。
船を仕立てて粕酢を江戸に持ち込んで売り込み、一財産を築きましたとさ。
というのがミツカンの物語である。

半田市で水道事業とか銀行とかビール醸造とかさまざまな事業をやり、
ブランド戦略やロゴマークの先駆けとか地域活性にも役立ちましたとか
なにもかもが「すげーなー」と思うのだが、それはミツカンミュージアムが
ミツカンの広報施設だからだ。でも感動した。行くといいと思います。

わたくし的にビッと来たのは4代目がビールの醸造を始め、
5代目で失敗して撤退したという話である。

半田市のカブトビール醸造所跡地で当時のレシピそのままのビールが飲めるが、
2種類あるビールそれぞれけっこう残念な味で、素直に「他社に負けるよね」
と思えてしまうのがかなり悲しかった。リニューアルすればいいのになー。

ミツカンには穀物酢、リンゴ酢、米酢、黒酢などのいろいろな酢があるが、
基本的に「酒をつくりそのアルコールを酢酸発酵したものが酢」というのは変わらない。

酢酸菌は好気性菌なので、エアレーションで強制的に空気を送り込み
さっさと発酵させて大量生産することができる。これが大手メーカーの酢である。
地方の小さなお酢やさんでは酢酸菌を入れてそのまましずかーに置いておき
自然な対流で発酵していく「静置発酵」という方法が取られていることが多い。

静置発酵は酢になるまでに数か月かかるが、連続法だと数日でできる。
この後どちらも少しの間置いて(というか静置発酵は一年とか置くこともある)
熟成させるが、連続法でできた酢はあっさりさっぱり味で安価なのが特徴で、
静置発酵は味わい深いと言われている。

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酒粕といってもすぐに使うのではなく、このようにしばらく置いて
色がかわったものを使います。だから赤酢と呼ばれるそうですが、
実際の赤酢はまっくろでバルサミコ酢みたいなニオイがします。

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山吹の静置発酵中。酢酸菌が上部にびっしり膜を張っていました。
これじゃ大量生産はできないわねー。

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わかりやすい静置発酵のしくみ
上部からじょじょに酢になっていくことが図式化されています。
アニメーションなので見るとヒジョーにわかりやすくなっています。

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わかりやすい連続法のしくみ
空気を強制的に入れることで発酵が早まります。
アニメーションなので(以下同文)



が、ミツカンミュージアムの人に質問したら「発酵法では味は変わりません。
酢の味を変えるのは原料です」ときっぱりおっしゃっていた。そうなのか。
「穀物はさっぱり、りんごは香りが」とかおっしゃっていたが、
原料をよく見るとそれぞれアルコールが入っているのだった。なぜ。

これは昨日知ったのだが、業務用に「高酸度ビネガー(ホワイトビネガー)」
というものがあるが市販はされていない。

一括表示に「アルコール」と書いてあるものにはこれが混入されているようだ。
混入の理由は種酢ととある論文に書いてあったが、
そのほか、より安価に製造するため、という説もあり不明だ。
しかしこれが入っているとひらべったい平坦な味がするようである。

さて、ミツカンには通常(連続法)の製法で作った米酢やリンゴ酢のほかに
原料と製法(静置発酵)にこだわりまくったプレミアムな酢がある。

昔ながらの「酒粕」を原料にした赤酢「山吹」。ラベルも高級感満載。
そのへんのスーパーには売ってないらしいが明治屋で見た気がするけどどうかな。

この酢は「昔ながら」が売りなので静置発酵でつくられており、
色はまっくろでまるでバルサミコ酢のようだ。熟成期間も長く、
旨みが強いので減塩になりますよ的な商品でもある。さらに。
山吹を3年置いた「千夜」という商品もあり、わたくしは一本買ってしまった。

一年に1000本限定とか言われると「せっかくだから」と買ってしまうのは
オバサン的ふるまいだったかしら。しかもいつものクセで
リスのように溜め込んでまた封も開けていない。早く食べろ、自分。

酒粕が原料なので香りが独特で好みがわかれそうだが、
フツーの酢のようにつかってはもったいないということのようだ。
料理によって酢も変えなくてはならないのだ。ううううめんどくさい。

わたくしは酸っぱいものが苦手なので、酢もおおむね苦手である。
が、ミツカンミュージアムでもらった「やさしいお酢の話」に
酢のすんばらしい機能性や使い方のコツがあれこれ書いてある。

健康が気になるお年頃(わたくし含めて)の方々に
「酢」は積極的に摂取しなくてはならないものなのではあるまいか。
とりあえずしまいこんでいる千夜のふたをあけてみよう。
赤酢を3年寝かした酢がどんな味か、楽しみであります。

ミツカンミュージアム 見学は予約制だけどいきなりでも入れるかも。
http://www.mizkan.co.jp/mim/


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ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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