日照不足でチッソ過剰=病害虫発生

gazou 033
お隣のブロッコリーの虫よけネットの中で、交尾中のモンシロチョウを発見。
ネットに閉じ込められて出て行けない状態で激写…取り込み中お邪魔してすんません。



6月。梅雨ですねえ。
いつまでもいつまでも曇ってます。

日照が足りないと、植物は光合成できなくて作物体内にチッソ分がたまります。
余分なチッソは、徒長・虫害・病気の発生につながります。
また生育不良や生育遅れになりますから、大変困るのでございます。

おひさまが照ってれば植物は光合成できるので、
多少チッソ過剰でも問題ないのです。

が。

曇天が続くと作物の硝酸態チッソ残留値が上がり、味は悪くなり、
徒長・軟弱な成長をしたり病気が一気に広がったりと、大変なことがいろいろ起こります。

なんと、チッソ不足だったほんたべ農園でも、この雨でどうも追肥が効きすぎたらしく、
とくにチッソが効いて欲しくないトマトが、チッソ過剰の樹形になってきました。
あわわわわ、うまくいかないわ。

gazou 059
正しく肥料を吸って生育しているかどうかを確認するには、トマトの場合脇芽を使います。
きゅうりの場合はつるの糖度を測ります。大枚はたいて購入した糖度計がようやく活躍!!!!



さて、日照不足のこの時期、植物に必要なのは「光合成」です。

早くお日様が照って欲しいのですが、来週もずっと曇天らしく。
しかも湿度が高いのに気温も上がるという、菌がウキウキしちゃう天候。

無農薬の家庭菜園組は、ここで病気を発生させますよ。

梅雨の間まんべんなく感染した病気が、
梅雨明けのぐわーっという暑さとともに爆発的に広がり、
全滅…立ち枯れ…畑でがっかり…等々コワイ言葉が次々に頭に浮かびます。

これほどかように、チッソ過剰ってのは何ひとついいことないのです。

土壌中に炭素が少ないと余計にチッソの害が顕在化しやすいので、
やっぱり腐植や粗大有機物ってのは必要なものなのですよ。

gazou 055
手では脇芽はしぼれませんから、ちっちゃく切ってにんにく潰し器を利用します。
ちびい脇芽だとじゅうぶんにしぼれないので、同じ樹から二つくらい取るのがお勧め。


gazou 057
糖度は2.5度でした。どぶろく資材を葉面散布する3日ほど前の数値でございます。
本日計測したところ、4度になっておりました。ちなみに昨日・本日と曇天で雨降りです。
やった! 効果あり? きちんと生育している目安の糖度は5度。おおお、いいんじゃない?



実はチッソというのは水に溶けやすく、
雨が降ると植物は土壌中にあるチッソをじゃんじゃん吸ってしまいます。
余分にあっても吸います。

ビールを飲み出したら止まらないおっさんのように吸います。

さらに雨粒が空気中のチッソを固定して落ちて来ますから、
雨からもチッソの供給が行われます。
(ちなみに、無肥料でみかんを栽培している道法正徳さんは、
この雨からのチッソの天然供給だけで十分だと言ってました)

チッソ過剰=メタボな状態なので、組織は軟弱になり抵抗力も弱くなり、
ちょびっと傷つくと、そこから感染しやすくなります。

葉っぱからはチッソをたんぱく質にする過程の物質のニオイが出て虫を誘引し、
アブラムシとかモンシロチョウとか、とにかく虫もたくさん寄って来ます。
アブラムシはウイルス病を媒介し、さらに病気に感染します。

gazou 022
生育不良も病気に取りつかれる原因のひとつ。ほんたべ農園のきゅうりでは、
追肥で盛り返す前の下葉にウドンコ病が発生しておりました。


gazou 008
忘れられた成分「ケイ酸」は畑作では60以上欲しい要素。ほんたべ農園では140ありました。
どれだけ入っていても害にならない成分なので入れ過ぎてもOK。
ケイ酸は植物の表面を強くし、とくにウドンコ病などの抑制に効果があると言われています。
触るとちょっと痛いくらいのシャキットきゅうりの葉の毛…ケイ酸のおかげかも。



このように、梅雨時の家庭菜園は病気と害虫の宝庫になるわけです。
区民農園の人々の畑でも、ウドンコ病、エキ病などがぽつぽつと出始めています。

「トマトのエキ病は早く抜かないと感染力が強いから、悲しい結果になりますよ~」

誰もいない区民農園のお隣の区画のトマトに一人つぶやくわたくし。
どう見てもチッソ過剰で背丈が80センチ位になってるじゃがいもにもエキ病が出て、
横倒しで枯れ上がりつつあり、大変コワイ状態。

うーん。隣の人のトマトに感染すると思うんだけどなあ…。まあ、いっか!

で、チッソ過剰状態の対策はあるのか!
実はあるのでした。

gazou 021
ウリハムシの食害あとにスリップスが隠れています。不思議だ。どこから来たんだろう。
とりあえず、ナスについて欲しくないなあ。



植物体内のチッソをたんぱく質に変えるため、炭水化物を供給すればいいのです。
作物は根から吸うよりも葉(気孔)から吸う方が即効性があるので、葉面散布で供給します。

では、炭水化物とは何か。

化学的には、炭素と水素と酸素がくっついたものが炭水化物=糖質(CHO)。
これにチッソ(N)がくっつくとたんぱく質になるのでした。

師匠・西出隆一さんは「醸造酢を利用しなさい」とおっしゃいます。

化学的に合成された酢ではなく、ちゃんとお米で作った酢じゃないとダメです。
1,000倍に薄めて葉面散布してやると、気孔から吸収された炭水化物が、
チッソと結合し、たんぱく質になるって理屈です。

gazou 048
エカキ虫とか言われるハモグリバエの食害あと。この線の先端にちっこい幼虫がいます。
それを知ってからこの模様のある葉っぱは食べたくなくなりましたよ。
この時期のアブラナ科には必ずつくので、この害がイヤな人は作らないことが肝要です。


gazou 041
よそんちの畑で病害虫を撮りまくりのわたくし。このトマトは萎凋病かなあ…。
茎にちっこい褐色の斑点があるけど…エキ病かなあ…。



わたくし的には自家製どぶろく5年物に糖分が含まれているはずなので、
それを葉面散布しております。効いてんだかどうなんだか不明ですが、
とりあえず脇芽の糖度は4度を示していました。

いいんじゃな~い?(自画自賛)

ところで明日、初きゅうり収穫です。
チッソ不足を乗り越えて、よくやった! シャキットきゅうりNo.2よ!


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No title

ほんたべさん、こんばんわ。光合成の重要性をようやく理解しました。太陽はやはり偉大ですね。

>タンパク質
これは初めて知りました!お酢にそんな力があったとは思っていなかったので、びっくり。飲むと体が柔らかくなるのはそのためなのか・・・(←いやいやいや)。

きゅうりの初収穫、楽しみですねー♪

Re: No title

駆動さん

こんばんは。

>飲むと体が柔らかくなるのはそのためなのか・・・(←いやいやいや)。

いやいやいや。

わたくしなど一時期あまり食べないのに太った時期がありまして、
太陽光線浴びて光合成して肉つけてるのでは…と心配になったりしましたよ。

酢じゃなくてもCHOがあればいいみたいです。
何と言われると困るんですが、日本酒とかでもいいんじゃないのかなあ…。

> きゅうりの初収穫、楽しみですねー♪

楽しみです~♪
採り遅れるとおばきゅうになっちゃうので、タイミングが難しいですよね!


No title

ほんたべさんこんにちは。

ひょろひょろに徒長したり、いらん虫がわんさか付くのは、
日照不足とチッソの過剰が原因なんですね。

この時期に限らず日照時間が圧倒的に不足しているわが庭では、
チッソのやり過ぎに注意ってことですね。
たまに信じられないほど背丈が伸びたり葉がどでかくなったりするのも、チッソ過多が原因なのかなあ。
ただし自分は、そんなのを「徒長のお化け」と呼んでひとり悦んでおりますが。
食べるものじゃないんでお気楽なんですね。

>植物体内のチッソをたんぱく質に変えるため、炭水化物を供給すればいいのです。

なるほど。
これは園芸にも応用できそうです。メモメモ・・・

ではでは

Re: No title

Fuさん

こんばんは。

> ひょろひょろに徒長したり、いらん虫がわんさか付くのは、
> 日照不足とチッソの過剰が原因なんですね。

日照が不足してなくても、チッソ過剰だとそういう状態になりますですよ。


> たまに信じられないほど背丈が伸びたり葉がどでかくなったりするのも、

ウチのこぶしの話で恐縮なのですが、南側に植わってるのは確かにチッソ過剰なのです。
なぜかと言うと、コンポストがいっぱいになると、株元にそれを置いてるから。
テントウノミハムシが出る理由もこれかしらと思ったり。

でも玄関にあるこぶしには、全く肥料を供給していないのに茂りまくりです。
これは強剪定による樹の暴れだと思ってんですが、どっからチッソ補給してるんだか。
やっぱり雨のせいなのかな~。

今度見てくださいね~。
毎年剪定が強いので、栄養成長が止まらないのかもしれません。

大変そうですね

こんにちは。
施肥設計はなかなか大変そうですね。
面倒臭がりな私はその辺りは全く行わず、土壌微生物に養分供給してもらっています。
昨年もこの方法で美味しいトマトを頂けました。
早く梅雨が明けて欲しいものですね。

Re: 大変そうですね

ちゃありぃふぉとさん

ご訪問ありがとうございます。

> 施肥設計はなかなか大変そうですね。

そうですね。失敗の連続。でも楽しいです!

毎日、「どうしてこうなるんだろう?」をあれこれ考えるのもまた。
家庭菜園じゃないとこんなアホなことできないですよね。
知り合いの農家に「そこまでする人いないよ」とあきれられてます。

> 面倒臭がりな私はその辺りは全く行わず、土壌微生物に養分供給してもらっています。

同じ圃場を何年も使えると、投資したものが生きるのでいいですね~。
炭素循環農法って、炭素の供給と微生物利用という点で
ある意味有機農業の基本ですよね。

非常に理にかなってると思います。

最近は区民農園で西出式、ベランダプランターで栄養週期をやってみようかと思ってます。
栄養週期、知れば知るほど面白いです。

科学的分析

読んでてふと思ったのですが、
畑にセンサー挿しておいて、
各種データを1時間おきとかでとってくれるシステムがあったらいいな、
なんて思いました。
いや、ありそうですけど。養液栽培で使われてるかも?
農業って可変要素が多すぎて、
実はまだはっきりわかってないことがいっぱいありそうです。
まずはきちんとデータを採るところが大事かなぁなんて思う次第です。

Re: 科学的分析

H2さん

> 各種データを1時間おきとかでとってくれるシステムがあったらいいな、

施設栽培ではテンションメーターっていう水分を測る機械がありますよ。
あとチッソ分を測るECメーターってのもあります。
でも自動じゃなくて手動です。

1000万位のハウスではそういうシステムあるかもしれませんねえ。

> 農業って可変要素が多すぎて、

そうなんですよ。
だからある意味、技術が育たないというか。
天候のせい、土地柄のせい…言い訳がいくらでもできるんですよ。

私が知ってるなかで、今のところ再現性がある農業技術は、西出さんの技術だけかなあ。
誰がやっても3年目には実績が出るというか、収量が上がるんですよ(お金もちょっとかかるけど)。

でもそんなに広まらないですね~。
広まらない理由もわかるけど、ここには書きません(笑)
プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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